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#877
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バイク歴1年弱の者です。

5月に納車してからしばらくはいいシーズンが続き、5ヶ月ほどの間ほぼ毎日乗って、週一以上は峠を目指す生活が続きました。

最初の頃は帰宅する度に洗車をし、チェーンも馬鹿みたいに磨いていましたがその頻度も時と共に下がり、やがて私の中でバイクはただ通勤あるいはスポーツするための道具になっていきました。

そんなある日、私は行きつけの峠走っている途中、ふと、ある衝動に駆られました。【⠀まだ見ぬ細道へ入っていきたい⠀】、というものです。

私がよく行っていた峠には、一般にライダーが集う峠道の最中に、陰鬱な森へ誘うような妖しげな横道がときおり顔をチラつかせていたのでした。

私はこの半年、ずいぶん峠に通った。周囲のライダーを見ていても、どうだ、私の方がいくぶん余裕を持って曲がっているように思える。どれ、ここらで片側一車線に近い細道をならして、また1つ腕を上げておこうか。

思えば私は、そんな慢心に駆られていたのかもしれません。ライディングは安全であれば十二分。そんな初志を貫徹しているのであろうベテランライダーを尻目に、悪魔のささやきに従うように仄暗い森へと突入していきました。

しかし、私は想定していませんでした。車通りの少ない山道の、いかに舗装不十分であるかを。

それは本道を逸れてすぐのことでした。見通しの悪いタイトな右カーブの途中、アスファルトが崖【というと少し大袈裟な、いわゆる傾斜】側に向けて緩やかに陥没し、ほぼ砂利道と形容していい道に巨大な水たまりを湛えていたのです。おまけにガードレールは過去に車が接触したのか、支柱ごと外側に膨らんでいる様相です。

初め、砂利にフロントが取られ、大きくがたつきました。【ブレーキをかけると大怪我だ!】と思い私はアクセルを戻してギアを1つ下げたのですが、その後のクラッチミートが雑だったせいか挙動は安定せず、また崖側から視線を離せなかったため結局リア側から転倒してしまいました。

幸いにもスピードは緩やかであったため、バイクは樹脂製のタンクとマフラーとバーエンドが削れ、フロントブレーキがくにゃりと曲がった程度で済みました。変な話ですが、転び方を考えると、この程度でよく済んだものだと思います。

転ぶ瞬間、バイクがガードレールを乗り越えてどこかへ行ってしまうような気がして、ハンドルを離さなかった事が大きな破壊を防いだのだと思います。

それから私はバイクを引き起こし、U字になったブレーキレバーに気を使いつつとぼとぼと自走で帰宅したのですが、その道中、バイクに乗り出してからそれまでの事を色々と思い返していました。

バイクという乗り物に飽きたような気がして、少しスリルを求めすぎていたのかもしれない。もう一度、何がしたかったのか見つめ直してみよう、そんなことを考えたように記憶しています。

私はバイク屋で修理を依頼したのち、何かバイクに詫びたいような気がして、オイルとフィルターの交換を初めて自分でやってみました。パーツの発注から、ボルトの清掃、廃油処理、想像よりかなり苦労しましたが、1時間半ほどかけて何とか作業を終えました。

仕事終わりの作業は懐中電灯が頼りで、終わった頃には、11月のため息が出るような寒さに包まれていた事を覚えています。

バイクは傷つくし、お金はかかるし、転倒時にバイクを支えたからか腕の関節はひどく痛むし、おまけに寒い。何だか少し泣けてきて、でも油で汚れた手では涙もぬぐえず、しおしおと後片付けをしました。

それから、私は休みを利用して長距離ツーリングを幾度か計画しました。とはいえ、コロナ渦中ゆえ、ささやかに。手近な観光地に出かけては、写真を撮って、お食事処はもちろんコンビニもなるべく立ち寄らず、思い出を増やしてゆく。

そんなふうにして、あの転倒から5ヶ月強。バイクとの接し方はずいぶん変わってきたように感じます。

私は他の皆様のように、自分の命くらいバイクが大事だとか、そんなふうには思っていません。けれど、あの日の悲しさを知るのは僕と、巻き込まれたバイクだけ。秘密を漏らすことの無い彼の事、少しでも大事にしてあげなくてはと思うのは、愛情に近いように思います。

 

長文失礼致しました

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