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#1237
ぐるちゃんねる
ゲスト

<p style=”text-align: left;”>「お兄ちゃん待ってよー。」</p>
大きめの自転車をこぐ3歳下の妹が叫ぶ。

「早く来いよ!」

好きな駄菓子屋へ妹をせかした。

2人兄妹の私達は、自営業で両親が忙しく一緒に遊ぶことが多かった。

中学高校と部活や友達との時間を過ごすようになり、いつの間にか遊ぶこともなくなった。

私は大学、妹は専門学校へ進み、会うことすらなくなった。

卒業を迎え、私達はサービス業の実家を手伝うため帰郷。

定休日が平日で友達と休みが合わず、また妹と遊ぶことが多くなった。

冬はスキーにハマり、12月から5月のゴールデンウィークまでほとんどの休みをゲレンデで過ごした。

白銀の世界は日常を忘れさせ、頂上からふもとまでノンストップで滑りおりると、遅れてきた妹が

「お兄ちゃんちょっと待ってよ!」と怒らせることもしばしば。

春が来てスキーが終わると、私は単車SRとツーリング、それを見た妹は中型免許に挑戦、150センチ足らずの身長にもかかわらず一発合格でCB400SFを購入。

ツーリングプランはもっぱら私の役目。今日は雨だが明日の休みは晴天予報。高原のワインディングが最高のコンディションなのは、ライダーなら言わずもがな。

明朝胸のすくような空の下、SRとCBで走り出す。

目的の高原に近づくと、あまりの息をのむ景色にスピードを上げる。SRのパルスが澄んだ空気を叩いた。

バックミラーを覗くと離れていくCB。インカムから聞こえるお決まりの台詞。

(いつものことか…)

私はさらにアクセルを開けると、妹の声をかき消すように、キャプトンマフラーがいつもより歯切れの良い音色を奏でた。

 

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